快晴野球連盟野球部

第十五話



〜三本の柱〜


あらすじ

快晴野球連盟に新戦力米田と出張から帰ってきた福原を迎え紅白戦を行うことに。
しかし部員が足りず社員三人を無理やり?参加させてスパイに来ていた豪雨の大橋までもをチームに入れることに・・
試合はエース候補水戸澤と米田の投手戦から始まった。
両チーム通してヒットは福原のヒットだけ。しかし七回両投手の沈黙が破られた。
吉本(白)があっという間に水戸澤(紅)のカーブをスタンドへいれた。
その裏米田(白)も湯舟に一発を食らったのである。


快晴だ。

八回の表白組の攻撃は七番・井上だった。井上は普段はバントやこまかいプレーが得意で二番についているが今日は前にランナーが出ずほぼ出番なしだった。

「今日は得意のバントはお預けだ。こうなったら打つほかない・・。いくぞ水戸!」

しかし気合もまた裏返り水戸澤の変化球にまったくタイミングがあわず三振した。

次のバッターは投手の米田。米田は投手としても凄いがバッティングも凄いのだ。だがこの試合ではまだヒットがない。

松中が水戸澤のところに駆け寄り一言励まし。戻っていった。

(この回をなんとしてでも守りきろう!紅白戦なんだから楽にいこうぜ!)

カキーン

だが米田が入部初ヒットをここでだしてしまった。その後九番飯田には送りバントをされ、しかもサード鈴木の送球ミスでワンアウト1・3塁のピンチに。

「鈴木〜ナイスギャグだ!凄いぞ〜。」

「みんなごめん!!許してくれ〜。」

「鈴木〜。もういいから声だせー」

相手の福原がそういうとまたまた野手が盛り上がった。やはり福原はチームのムードメーカーだ。

水戸澤も気合を入れなおした。次のバッターは大橋だ。

カキーン!!しかしやはり大橋は凄かった。三打席目で左中間を真っ二つにするツーベースを放つ。

「ひぇ〜やるもんだね〜。」

「これで1−3だ。米田から2点も取れるかな〜?」

やはり大橋は打たせないほうがいい・・。水戸澤はあとあと反省した。しかしやられっぱなしの水戸澤ではない。後続の中城・今岡も簡単に討ち取り二失点で八回を終えた。

裏の紅の攻撃。全員なんとしてでも逆転するぞと燃えていたが点をもらった米田は強くあっけなく三者凡退に終わった。

九回は水戸澤も「もう一点もやれん」という気持ちで四・五・六番をしとめた。

そして紅組は最後の攻撃に入る。

「よっしゃー!!この回逆転サヨナラゲームにするぞ!」

「キャプテンにまわったら絶対打ってくださいよ!」

おーーー!

この回九番の五日から始まった。しかし五日は期待に応えられず三振。だが普段目立たない三井がやってくれた。

カキーン

「よっしゃーいいぞ!三井!でかしたー!ちび!」

「ちびは余計ですよ湯舟さん!みなさんつづいてくださいよ〜」

だが・・・・

ストラーク バッターアウトー!

「みんな・・・ごめん・・。」

須波は見逃し三振。

「須波さんそんな暗くならないでください。」

「もとから暗いじゃん。」

さあ、紅組ツーアウト一塁。あと一人になってしまった。ここでバッターは大外、ここで奇跡の同点だか!?と思われたがサードフライで試合は米田の二安打・一失点の好投で幕が閉じた。

「うわーー。久しぶりに打ったのに!!」

「俺のせいだー。ごめんなさい!!!」

「鈴木。土下座なんていいから早くグラウンド整備しちゃいましょう。」

試合終了

紅 1 − 3 白

「集合!」

ざざ!

「いや〜面白い試合だったぞ。実に笑える部分もあった。」

「監督。ほかに言うことないんですか?」

といったのはもちろん吉本。

「黙ってきかんか。まあ両投手ともナイスピッチングだった。水戸澤も二失点は大橋からだし。」

「あれ?そういえば大橋は?」

大橋の姿がなかった。はたして何しに来たのであったのだろう。

監督の話は続いた。そして最後に来週から始まる東京都社会人野球大会のことについて話し出した。

「この紅白戦をみて大会の投手采配が決まった。」東京都社会人野球大会

ゴクリ・・・。水戸澤・米田・鈴木は息をのんだ。なにせこの紅白戦は大会への実力試しだったからである。

「そこで考えたのは先発が水戸澤-松中バッテリーそして六回から米田-吉本へ変わり最終回を鈴木が抑える。次の試合は米田ー水戸澤ー鈴木と変える。どうだこれこそ快晴投手三本柱!」

「つまり水戸澤が先発して米田が中継ぎ。そして鈴木が抑えってことですよね。いいじゃないですか!」

「でも三本柱って事は斉藤さんは・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

誰も何も言わない。やはり斉藤の復帰はだめなのだろうか。

「とにかく斉藤が帰ってくるまではこれでいく!いいな!」

三井が賛成した。つづいて米田も「これがベストな采配だろう」と同意した。鈴木も「絶対抑えるぞ!」とこの采配に同意した。

「よかったな水戸!すごいじゃないか!」


湯舟さんも先発水戸澤を称えた。つられてほぼ全員が賛成した。しかし一人吉本は賛成しなかった。

「俺は反対ですよ。大体松中が捕手の時俺はどうすればいいんですか!捕手は二人もいりませんよ!」

「そんなことはないぞ。吉本はチームの主砲だ。松中だって守備なら井上を抜くぞ。」

井上は少しショックを受けた・・・が。すぐに立ち直った。本当に松中は守備に関しては文句なしだ。

「そこでスタメンも決まった。発表する。

一番 レフト    中城

二番 ショート   井上

三番 ファースト  今岡

四番 ライト    吉本

五番 センター   湯舟

六番 セカンド   福原

七番 サード    里中

八番 キャッチャー 松中

九番 ピッチャー  水戸澤ー米田

だ。なお水戸澤の当番が終わったら。捕手を吉本、ライトに今岡に変えてファーストを須波か三井に返る。これでいいな。」

「はい!」

「なお、大会での成績などでもどんどん変えていく。ベンチのやつも代打などで活躍すれば次からレギュラーもあるぞ!」

一つ疑問なのはなぜ松中を水戸澤が降板と同時に変えてしまうのか。それは松中には今ひとつ打力がないからだ。

「松中も打撃を改善すれば、フル出場もあるぞ!とにかく出たいやつは努力しろ!仕事は大会中はなしだ。」

仕事なしに反応するかと思ったが、選手全員がレギュラーを狙うライバル同士になった。

「ミーティングは終わりだ。解散!あと吉本ちょっとこい」

吉本は監督に呼ばれグラウンド管理室へ入っていった。

「よっしゃー!絶対優勝だーー。帰りバッティングセンターに乗り込むぞー!!」

「里中さん「乗り込む」ってなんか人聞き悪いですよ。」

三井が訂正するが「乗り込む」で良いらしい。

そのころ・・・・

「いや〜今日は楽しかったな〜。」

大橋は豪雨の練習グラウンドへ帰る途中そっと口走ってた。

「あ・・・・そういや俺なにしにいったんだっけ?」

快晴グラウンド

解散後も選手達は居残り練習を行っていた。(里中と三井はバッティングセンターへ)仕事もこれぐらいがんばってもらいたいぐらいだ。

なんとしても打倒豪雨。優勝すると心に誓って。

そして大会の日の前日まできた。

「いよいよ明日開会式だ。しかも今日は抽選会だ!!」

「抽選会!?誰が引くんだ!?そのくじ引きを。うわ〜。」

そういったのは井上だ。なぜそんなにあせるかそれには理由があった。

快晴連盟はいままで優勝はなくベスト4にも入ったことがなかったのだ。なぜ実力はあるのに成績が悪いのかと・・・。

三年前の大会では鈴木が新人ということでくじを引いたがみごと一回戦に豪雨と当たり一回戦敗退

二年前は里中がくじを引きなんとか一回戦ではあたらなかったが三回戦であと一回勝てばベスト8というところでまた豪雨と当り敗退

去年はキャプテン湯舟がくじを引いた。しかし一回戦に名も知らないようなチームに1−0で敗退してしまった。

こう快晴連盟にはくじ運もないのである。

「今年は新人水戸ーに引かせるか。」

「俺!いいっすよ湯舟さん!」

「だーー。まて絶対こいつはやめろ!」

吉本が大反対。しかし話し合いにより結局水戸澤が引くことに。

抽選会場

この大会にはシードはなく。豪雨野球同好会は9番のくじを引いていた。10番なら一回戦で当たり11・12番だと二回戦では当たってしまう。

「絶対いいの引けよ!」

「頼むよ!一回戦から豪雨はごめんだ!」

「そんなこといわれたって。」水戸澤は一回戦で倒しちゃったほうが楽じゃないか?と考えてた。

「お前、やばいの引いたらただじゃおかねえぞ!!」

吉本が言う。

「へっお前よりはクジ運はいいとおもうぞ。」


「次、快晴野球連盟」

「はい!」

水戸澤が抽選箱の前まで来た。そしてそっと箱に手を入れ一枚紙取った。

「8番」

快晴の選手の目が光ったになった。豪雨の隣ではあるが準決勝までは当たることはない。

「よっしゃ〜よくやった水戸!!さすがだーー^^」

「これでベスト4までは入らないぞ!!」

「所で一回戦の相手はどこなんだ?」

「えっと〜」

「ふっふっふ・・・お前達が一回戦の相手か?」

謎の男が快晴の選手達の前に立ちはだかった。

「なんだと!お前達こそなんだ!」

吉本が言い返す。

「こりゃ失礼。俺達はエベレスト保険会社の野球チームさ。まっせいぜい楽しませてくれよ。」

エベレスト保険会社・保険会社の中ではトップの成績をもつエリートな会社。野球の実力はそこそこという噂である。

試合は明後日の四回戦目の新宿にある小さいスポーツ公園と決まった。

「おい!あれ見ろよ!」

今岡が指差したのは「滝」というチームである。そう、去年1−0で負けた「名も知らないようなチーム」である。

「・・・・今年は二回戦で当たるな。」

「まじかよ・・・・水戸・・」

「え!?そんなこといってなかったじゃないですか!?そもそもあのチームが二回戦あがってくるかわかりませんよ。」

「いや。絶対あがってくるぞ・・・。」

今岡がそういった。なぜなら滝と一回戦であたるのは「アリンコ工場」という万年一回戦敗退というチームであった。

「あはは・・・いかにも負けそうだな・・。」

水戸澤も苦笑いした。

「なにいってんだ!今年はこの俺がいるんだから。そんなチームに負けたりはしない!!」

吉本が自信たっぷりに言うと水戸澤が言い返し結局喧嘩に・・・。

「こらーお前ら!!チームのムードを壊すなあ!!」

湯舟に説教されて二人とも気力を失っていた。

「とにかく一回戦!これまでの練習の成果を生かし!絶対勝つぞ!!」

おーーーー!!!

東京都社会人野球大会 第一回戦 エベレスト生命保険野球チーム 次回 プレイボール


作者から

ついにこの小説も終わりに近づいてきました。東京都社会人野球大会!果たして快晴はどうなるのか!

まずは一回戦です。

あと十五話のQ&Aですが。

快晴はベスト4にも入ったことがないといっていましたが大蔵さんがいる時は豪雨にも勝てるといっていましたが・・・。

あれは確かに勝てることもありました。しかし大会では味方の援護がなく1−0とかで負けることが多かったらしいです。

そういえば水戸澤はずっと大蔵さんのユニフォームを使っているのですか?

これについてはですね。しばらく休んでたので自分も忘れてました。監督がやっと最近ユニフォームを申し込んだばかりなのです。次回・十六話で来るのではないのでしょうか・・・。

それでは!十六話もぜひ見てください。


第十四話 第十六話
SEO対策 ショッピングカート レンタルサーバー /テキスト広告 アクセス解析 無料ホームページ 掲示板 ブログ