快晴野球連盟野球部

第十六話


〜快晴野球連盟野球部〜




快晴だ。

8月3日 快晴野球連盟グラウンド

今日は明日にせまった大会第一回戦の選手登録の背番号発表である。

「よし。みんな集まったな。大会の為の新背番号を発表する。」

「はい!」

「では背番号一番・・・水戸澤」

一番はやはり水戸澤だった。水戸澤はついにエース1をもらった喜びでいっぱいであった。

(ついにエースとしてマウンドに立てるんだ!!ぜってー暴れるぞ!!)

「二番 吉本」

ついに吉本も捕手番号を松中から取り上げた。

(当然といえば当然だが・・少し危なかったけど・・・)

「三番 今岡」

今岡は一塁手の番号をつけることに、今岡はもう一塁へコンバートらしい。

(俺は守備が悪いからいろいろあれだったのに内野となるとなぁ・・・。エラーは打って返すしかないな)

「四番 三井」

(よかった〜。もしかしたらレギュラー番号とれないかと思ってたよ・)

「五番・・・・」

(俺だ!)

里中が言う。

(俺だ!!)

福原も言う。

「福原」

ここはやはり実力で出張帰りの福原が里中が守ってきたサードを奪った。

(くそー栄光の「5」は奪われてしまった!!しかし俺にはレギュラーが約束されているんだ。ここは福原に譲ろう・・)

「六番 井上」

やはり守備の要は井上しかいないだろう。

「七番 中城」

「八番 湯舟。もちキャプテンだ。」

(ふ〜キャプテン・キャプテン言われてだめだったらあれだろうな〜)

「九番 松中」

捕手の番号は無理だったがやはり水戸澤の変化球を取れるのと華麗な守備の松中はなんとかレギュラーの番号には入れた。

ここまではレギュラー番号だが大会登録選手は18人までなので全員ベンチには入れる。

「十番 米田」

「十一番 鈴木」

中継ぎ・抑えに任命された投手二人だ。米田は先発もするので十番をとった。

「十二番 里中」

(投手をぬけばベンチの一番か。でも本当はスタメンででれるんだからなあ〜)

「十三番 須波」

「十四番 大外」

「十五番・・・・」

十五番!?快晴にはいまは十四人しかいないはずだ。誰もがそう思ったがすぐにわかった。

「斉藤。以上だ」

「え!?斉藤さんが入ってる!ってことは肩は大丈夫なんですか!?」

「それならなんで会社とか来てないんですか?」

まわりがざわめきだした。

「静かにしろ。斉藤なら一回戦には間に合わないが完治にむかっているて大会中には復帰できそうだ!!」

「斉藤さん帰ってこれるんだ!!やった!!」

またざわめきだす。

「しかし斉藤が大会復帰するためには一つでも多く試合に勝たなくてはならない。いいな!」

「はい!」

「それともう一つ背番号十六をつけるやつがいる。」

え?と思った。まだいる?誰もが疑問に思ったその時監督の後ろから見覚えのある人がでてきた。

「どうも・・・水面 樹(みなも いつき)です。」

それは前に行った紅白戦で人数が足りずに入ってもらった水面であった。

「おお!お前は水面じゃん!」

里中が言うと監督が。

「あの紅白戦のあとどうしても野球がやりたくなって入部することになったんだ。実力はこの前見たとおりなかなかいい素質をもっている。よろしく頼む」

「よろしくお願いします。ポジションは一応ショートです。」

「よろしく〜」

「よろしくな!」

みんながよろしくと一言、水面はお辞儀をして全員が座っている後ろへとまわり水戸澤の隣に座り込んだ。

「水戸澤さんもよろしくお願いします。」

「あっおおう。よろしく。」

その後監督のミーティングが終わり最後に水戸澤と水面はグラウンド管理室に呼ばれた。

「水戸澤お前のユニフォームが届いたぞ。ほら。」

といって監督が水戸澤に新品のユニフォームを手渡した。

「あと水面。悪いんだがお前はしばらくこの古いユニフォームを使ってくれないか?この前やめた人物の物だ。」

水面はその古いユニフォームを渡された。

「あのー監督・・・。」

と、水戸澤が話しかけた。

「このユニフォーム。水面にやってください。」

と監督にユニフォームを渡した。

「なぜだ?」

監督が言う。

「いま俺が使ってるこの大蔵さんのユニフォーム・・・(快晴第二話参照)なんだかもう馴染んじゃってさ〜。それにこれ着てるとなんだか力がわいてくるんですよ。だから・・・」

水戸澤がそう言うと監督が急に笑いだした。

「わっはっはっは、やはりな」

「やはりな?」

「実はなお前のどこかその自信に溢れたその顔が大蔵そっくりだったんだ。だからお前にそのユニフォームを渡したんだ。それを着てるとお前と大蔵がダブるような気がするからな。」

監督が笑いながらそういった。なんだか水戸澤はうれしくなった。

「てことは俺も大蔵さんぐらいの実力者なんですか!?」

「そんなはずないだろう。お前はまだまだ大蔵には及ばん。その前に斉藤だっているんだしな。でもな、いつかきっとなれると俺は思うぞ。元々お前には最後まで大蔵のユニフォームを使ってもらうつもりだったからな。その新しいユニフォームは水面のものだ。」

「そうだったんですか・・・・ってあっはっはっはっは」

「ははははは・・・・」

水面まで笑い出した。

(斉藤さんを抜いて大蔵さんを抜くまで絶対負けない・・・・)

そして大会の日がやってきた。快晴連盟は四試合目だったので球場にいくとすでに三試合目が行われていた。

「あれ!三試合目って「滝」の試合じゃなかった?」

三井がそういった。そうだった。今滝とアリンコ工場野球部の試合が行われていた。

現在試合は五回の表、しかし得点は13対0の滝のリード。まさに草野球だ。しかも五回の表も滝の投手はすでにアリンコの打者を三人にしとめ交代していた。

「まだ試合は終わりそうもないな。とりあえずアップしとけ。」

「はい。」

そして試合は24対2で滝が圧勝した。

「二回戦で滝か〜。今年は勝つぞ!!」

「まだ一回戦もやってないんだ。二回戦のことなど考えるな。」

「なにいってるんですか!一回戦なんて圧勝ですよ。なにせ俺達がいますもの!」

吉本と中城だ。

(そうだな。しかし吉本と水戸澤が組めないのがどうしても・・・・なんとかしないとな。吉本。松中のバッティングがよくなればそれもありだが・・。)

そして監督からスタメンが発表された。それは前に発表されたメンバーと全く一緒である。

「では試合をはじめます!互いに礼!」

「お願いしまーす!!」

快晴の夏が始まった。

先行 快晴野球連盟野球部

一番 レフト    中城

二番 ショート   井上

三番 ファースト  今岡

四番 ライト    吉本

五番 センター   湯舟

六番 セカンド   福原

七番 サード    里中

八番 キャッチャー 松中

九番 ピッチャー  水戸澤

後攻 エベレスト保険

一番 サード    青木
 
二番 レフト    岡野

三番 ピッチャー  近藤

四番 ファースト  無花果

五番 キャッチャー 大月

六番 ショート   佐藤

七番 ライト    後藤

八番 センター   斉藤

九番 セカンド   金森

「プレイボール」

先頭打者は中城だ。これが新・快晴のスタートとなれるか・・・。

「中城。ヒットで出てくれよ。俺の今年公式初のバントをしたいからな。」

バント名人の井上がそういうと中城が。

「任せてくださいよ。」

と、一言いってバッターボックスへと向かった。

「プレイ」

(思えば俺に自信をくれたのは甲子園の一回戦。俺にホームランを打たせてくれた水戸澤おかげなんだよな。あのホームランがあったからこそ俺がいるんだ・・・。)

カキーン

白球は見る見る打ちにライトスタンドへ吸い込まれていった。先頭打者中城がホームランを放った。これが快晴野球連盟野球部のスタートだった。

「やったぜーー!!見たかーー!!」

中城がおおはしゃぎでベースを回る。第一球先頭打者弾でエベレストの投手は初回から肩を落としてしまった。

その後、井上は凡退したが今岡がセンター前吉本が二塁打を放った隙に今岡がホームインをし、快晴連盟は初回2点で攻撃を終えた。

一回の裏 エベレスト保険の攻撃

「いよいよ俺がエースとしてマウンドに立つことができるんだ・・・。」

(ふん。捕手の俺の初の大会のスタートが右翼とはな・・・・。なんとしてでも水戸澤の変化球を取れるようにならなければ・・・)

この大会は快晴野球連盟のスタートであり水戸澤・吉本の新・スタートでもあった。


作者から

十六話の題名が「快晴野球連盟野球部」ってわけなのでそろそろクライマックスですかな〜。って感じですが。どうやら新しいスタートになる模様です。

十六話は台詞がどうも上手くいかなかったと思います。なるべく修正していきたいと思うのですが・・・。

だんだん昔のことを回想するシーンが増えてくると思います。この小説も後半戦に突入しましたがこれからもよろしくおねがいします!


十五話 十七話
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