湘南スカイヤーズ

国雪 浩孝編 第2話



天気がいい
でも、もう俺には関係ない
野球ができない俺に天気なんて関係ないんだ
手術をしてもう回復しないってわかったんだ。諦めるしかないさ

国雪「野球・・・やりたいよ」

このころの俺の心は絶望に満ちていた

国雪「野球・・・野球・・・」

俺はロボットのように「野球」という言葉を繰り返していた

国雪の母「浩孝、諦めつかないのはわかるけど、できないんだからしょうがないわよ」

国雪「わかってるよ!」

母の慰めも優しさもこのころの俺にはわからなかった。母の言葉が変に聞こえる。悪口みたいに聞こえた。

コンコン

国雪の母「どうぞ」

ガチャ

天大「失礼します」

国雪「天大・・・?」

天大「久しぶりだな国雪。お前が肩壊したって神岡さんから聞いたからよ。ちょっと見にきたんだ。」

国雪の母「私お邪魔みたいだからロビーにいるわね」

天大「お気遣いすみません」

ガチャ

この天大の見舞いが俺の人生を変えたんだ

国雪「ありがとう・・・でも、もう俺野球できないよ。肩がもう治らないんだ。治らないくらいにひどく痛めちゃったんだよ」

天大「ああ、知ってる。雲堂さんが言ってたぜ」

国雪「いつ会ったんだ?」

天大「テレビ番組のプロ野球選手の集まりで交流会みたいなのがあって、雲堂さんいたからさ。ちょっと話してたんだよ。神岡さんから聞いたお前のこととかな」

天大はこのころファンからすごい人気があっていろいろなテレビ番組に出てたりしてたんだ

国雪「それで?」

天大「言っとくけど、お前このままで終わっていいのか?スカイヤーズに未練はないのか?やり残したこととかあるだろ?それやらなくていいのかよ。架界とも、まだやってないことたくさんあるだろ?お前から野球とってなにが残るんだ?お前は絶対野球を捨てるな。これは雲堂さんの気持ちでもあるからな。雲堂さんからの伝言だからな!」

国雪「・・・・・・・・・」

天大「雲堂さんは高校のころエースが肩壊したんだって。お前とそっくりな具合だったらしい。雲堂さんは知ってたんだよ。お前の肩のことを・・・」

国雪「そうか・・・だから雲堂さんお見舞いにこなかったんだ。俺の肩のことを知ってて」

天大「ああ、多分壊れるとわかっているがそれを知らずに見舞いにきた人と共に笑う姿を見たくなかったんだろうな。慰められるお前を見たくなかったんだろうな。壊れると知っていたから」

国雪「そうか・・・天大!俺戻るよ。スカイヤーズに。そしてまたみんなと一緒に野球やるんだ。そして本当に今度は俺の力で優勝に導いてやるさ!スカイヤーズを!俺たちの湘南スカイヤーズを!」

天大「そうか。俺たちにゃ軍団も黙っちゃいないぜ!優勝は俺たちのものさ!」

国雪「いいや!俺たちのものさ!」

俺は天大という人間がいなかったら野球をやり直そうとはしなかっただろう。でもその後、新たな問題が発覚したんだ

1時間後

天大「じゃあ俺帰るから」

国雪「天大ありがとう。じゃあな」

天大「ああ、今度はグラウンドで会おうな」

ガチャ

国雪「また野球界にいける。やったー!」

ガチャ

国雪の母「浩孝、天大さんにお礼言ったの?」

国雪「ああ!100万回ぐらい言ったさ!母さん!俺、スカイヤーズに戻るよ!また選手としてがんばるよ!」

国雪の母「そう!また、がんばるのね!あ、でも」

国雪「ん?なに?母さん」

国雪の母「肩治らないんでしょ?どうやって選手になるの?」

国雪「あ・・・・・・・」

国雪の母「考えてなかったのね・・・」

国雪「ううん。どうするべきか・・」

俺は肩のことなど全く考えていなかった。でも俺にはあの人がいる!

国雪「そうだ!保見さんに電話してみよう。なんか聞けるかも」

保見沢宅

チャラララ〜♪

保見沢「お、電話〜」

ピ!

保見沢「もしもし〜保見沢と申しますが〜セールスはお断りですう〜セールスの場合はすぐ切ってくださいね〜」

国雪「保見さん?あのさ〜」

保見沢「その声は〜!国雪〜!」

俺はこれまでのいきさつをすべて話した

保見沢「そうだな〜。野球をやりたいが肩が壊れていてできないと〜」

国雪「なんかない〜?いまスカイヤーズで困っているところとか・・・」

保見沢「困っているところは投手難だから。ピッチャーやれって言っても無理だろ〜」

国雪「エースは山気原さんだし〜。ほかの投手はあいつとこいつとあれとこれと」

保見沢「そうだ!いいこと思いついた〜」

国雪「え!なに?保見さん教えてよ〜」

保見沢「教えてほしい?なら今度昼飯おごれよな〜」

国雪「おごるから!早くー!」

保見沢「いい〜?お前は肩が壊れていて投手ができないどころか野球ができな〜い」

国雪「うんうん」

保見沢「投手難のスカイヤーズに戻るといっているんだから〜」

国雪「だから?」

保見沢「ピッチングコーチをやればいい〜!」

国雪「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!超超超超超名案!」

保見沢「[国雪は昼飯2回おごる]になった。やった〜!」

数日後

国雪「おらあああああ!てめー!投げるときもっと腰入れんかーい!

投手「ひい!」

田熊監督「うるせえ・・・(耳栓」

架界「おらあ!たるんでるんじゃねえぞー!

雲堂「こっちにも影響が・・・(耳栓」

中倉「おらあああああ!です。声が足りーませんよ」

山気原「無理に声出さなくてもいいのに>中倉(耳栓」

こうして俺は湘南スカイヤーズ1軍ピッチングコーチになったのである

国雪 浩孝編 完!


作者から
本編10話(最終話)の終盤の流れです。わかっていただけましたか?
今回はちょっと語り(国雪)も多くしてみました。会話が少ないです。わかりましたか?
次回個人短編は誰になるのかな〜。投票よろしくお願いします!


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